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deserve to die bass Twitter : malch93

Interview with Zero dimensional records

2018年12月某日、Zero dimensional recordsの大石さんにインタビューを試みました。

お忙しい中にも関わらず、快く応じてくれた大石さんには感謝が尽きません。

 

以下、インタビューです。

 

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問1.Zero dimensional recordsを始めようと思ったきっかけなどあれば教えてください。


設立に至る経緯は、ふとレーベルやディストロでCDをオーダーしている時、1000枚、666枚プレスなどが売り切れている中で「作ったCD全部売っちゃえば単純計算1000枚×1500円で150万円。めちゃくちゃ儲かるやんけ!」とアホな事を思ったことがきっかけです。とりあえずディストロから始めようと思い、始めたのがこれです。


問2.意外な回答で驚きました。でも、Zero dimensional recordsはレーベルとして、ディストロとしてひたすらに利益を追い求めたり、商業主義なスタンスではないように感じます。バンドに対して非常にサポーティブといいますか。そのへんに関しては、レーベルやディストロをしていく中で考え方が変わったのでしょうか。


問1の考えから早速リリース作業してCD販売しましたが、リリース結果は惨敗で特に宣伝もしていない島国のレーベルがポンとリリースしたところでまったく売れるはずもなく、借金して作ったCDは初動3枚とかでした。入荷してもひたすら溜まる在庫、仕事の給料を突っ込んでは入荷し、売れない、溜まるを繰り返し、給料日に入荷物に給料を全部突っ込んで、CD1枚売れないと飯が食えない状態が続きました。


そんな時に知り合いから

「日本ってアクティヴにやってるブラックメタルのレーベルほとんどいないから良いところに目をつけたね」

と言われ、言われてみれば、レーベル大々的にやっているところはあまりなく、ディストロを始めた時こそ、ちょうどArkha Svaあたりが出てきたことで盛り上がっていたので、国内シーンも大きいと思っていましたが、実際はすごく小さかったんですよね。ならば、もう少し何かできないか。国産バンドをいっぱいリリースして、ライヴとかできないか。そういうことを考えて日本のバンドをもっと大事にして行こう。ライヴとかをやっていれば、いずれ新人もたくさん出てくるだろう。風がなければ何も動かないので、とりあえず自分が風になって何かを動かせば、反動でまたどこかが動くだろうって感じで当時は動いていました。

たぶん一発目にバカ売れでもしてたらこのレーベルは今はもうないでしょう。


問3.確かに日本でアクティブに動いているブラックメタルのレーベルはZero dimensional recordsを除くとほぼいないのが現状ですね。そういう中で、58作リリースされてきました。やり始めた頃と今現在で、レーベルを取り巻く環境で大きく変わった点はありますか?


アンダーグラウンドなバンドが好きで、カルト的なリリースなどやろうとしていましたが、サポートの方に力を入れたことでしょうか。

今でこそやはりメジャーなバンドにあまり興味がないのですけど、日の当たってない良質なバンドにスポットを当てるように心がけるようになりました。


問4.ブラックメタルという中においても更にアンダーグラウンドな方面に目をつけられ、レーベル、ディストロ、企画主催、海外バンドの招聘と様々な活動をしておられますが、大石さんがブラックメタルを好きになったきっかけを教えて頂けるでしょうか。


これ良く聞かれるんですけど、特に衝撃を受けた作品とかあったわけじゃないんですけど、各ブラック・メタルの音源を聞いていると、今は完全に感覚がマヒしちゃいましたけど、チープでペッラペラな音から繰り出される邪悪さに嫌悪さを覚え、でも病み付きになって、CDの当時の流通の悪さに加えて手に入れたときの達成感とか色々あったかと思います。


問5.2018年はどのような1年でしたでしょうか。また2019年の目標などありましたらお願い致します。


昨年末くらいに諸事情で生活が変わってしまい、色んな所へ出かけていましたが、各所で色々貴重な体験をさせていただきました。仕事にも大変影響色濃く出るくらい色々価値観も変わり、激動の1年だったと思います。思い返してみても忙しかったですが楽しかったです。レーベルとしては何一つ成長していませんけども。

2019年は本年が比較的満足だったので、この調子でやりつつ、なんか色々催せたらなぁ・・・と思います。案はあるけど腰が重すぎるのです。


問6.毎年主催されているイベントBlack sacrificeは主要都市での開催が主になっているように思うのですが、やってみたい地方とかありますか?


出来れば地方でやりたいのです。しかし結局お客さんが入るのが主要都市になってしまうので仕方なくやってると言う感じです。

大阪はやはりホームなのではずせないところですが、普段行かない土地しか行かないようなツアーを一回やってみたいです。   


問7.日本のブラックメタルファンはあくまで海外のブラックメタルが好きで、日本のブラックメタルはあまり聞かない、みたいな話を聴いた事があるのですが、black sacrificeに出たとき、そのような感覚は全く無かったです。特に大阪ではとてもいい雰囲気でライブすることが出来ました。それはやはり大石さんが積み上げてきた信頼があるのでは、と思います。最後に大石さんが思う国産ブラックメタルの良さがあれば、教えてください。


僕がレーベルを始める前は「日本人がやるメタルは偽物」とか言ってる人がいるくらい「日本の」バンドの評価は底辺でした。企画をやった時とも「日本のバンドは絶対に見たくないのでタイムテーブルを教えてください」と連絡が来たときもありました。昨今このような事が減ってきたのは大手メディアの偏見がなくなったのと、ネットで最底辺の地下シーンもアピールできる時代ができたからかな、と思います。一番はバンドさん達がしつこく定期的に活動してくれているからであって、僕はそこをほんの少しお手伝いしているだけです。

国産ブラックの良さはやはり日本人受けするメロディーや展開かなぁ・・・と思います。

 

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